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ID AN0000711X-19930300-1003
アイテムタイプ Article
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本文 AN0000711X-19930300-1003.pdf
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Last updated : Jan 20, 2011
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タイトル 埴輪生産と須恵器工人: 奈良県ウワナベ古墳の須恵器を中心にして
著者
植野 浩三 (Ueno koso)
文化財学科
publisher
出版地 奈良
出版者 奈良大学文学部文化財学科
上位タイトル
文化財学報 (Bunkazai gakuho, Bulletin of the study of cultural properties). Vol.11集, (1993. 03) ,p.27- 39
識別番号
ISSN
09191518
抄録 奈良県ウワナベ(宇和奈辺)古墳では、かつて古墳の造出し部より埴輪・須恵器・土師器・土製品が採集されている。特にこの中で、須恵器は赤褐色系の塗彩が施され、焼成は硬質であるが、赤色系に土師質風に仕上げられたもので、通有の須恵器とは異なる点で注目されていた。焼成・塗彩・胎土については、埴輪と共通することが指摘されており、須恵器と埴輪が同時に製作・焼成された可能性を示唆した。古墳造営における埴輪の害窯焼成は、全国的なごく一般的なあり方であるが、須恵器を同時に赤褐色に彩色して埴輪風に製作・焼成したものは例がほとんどなく、古墳造営における窯業部門の体制等を検討する資料としてきわめて重要である。
また、塗彩された須恵器は、造出し部において祭祀に使用された可能性がきわめて高い。恐らく古墳祭祀の一環を担う物品として、埴輪と同時に古墳の近辺で生産された可能性がある。そうすると、ウワナベ古墳造営に関連する害窯操業は、埴輪の生産以外にも、古墳の祭祀用品の生産、さらに拡大解釈すれば直接・間接的に祭祀の役割も分担していたと推測できるのである。
筆者は、かつて初期須恵器が古墳の祭祀において多用されることに注目し、地方窯の成立は、地方豪族の須恵器への強い憧れとともに、古墳祭祀における須恵器の必要性、奮窯の埴輪生産への有用性等と有機的に関係してなされたと考えたことがある。須恵器と窓窯、窪窯と埴輪、埴輪と祭祀、祭祀と須恵器とは、それぞれにおいて密接に関連しており、古墳造営を頂点とする図式が描かれるため、こうした造営を契機にして行われた可能性を説いた。同様の見解は、田辺昭三氏や増子康真氏によっても提唱されているが、資料的な制約もあって、具体的な検討には至っていないのが現状である。
したがって小稿では、こうした問題点を解く手掛かりをもつウワナベ古墳採集の埴輪と須恵器を例に取り上げ、埴輪生産と須恵器、須恵器生産と埴輪、古墳の造営と奮窯(須恵器窯)との関係について検討し、さらに古墳築造と地方窯の成立の関係について迫りたい。特に、ウワナベ古墳を基準にするために、小稿では全国的な考察には届かないが、今後の展開を方向付けることを主たる目的にする。
言語
jpn
資源タイプ text
ジャンル Journal Article
Index
/ Public / 文学部 / 文化財学報 / 11集
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