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ID AN0000711X-20010300-1002
アイテムタイプ Article
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本文 AN0000711X-20010300-1002.pdf
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Last updated : Jan 24, 2011
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タイトル 我が近代漆工史序説
著者
灰野 昭郎 (Haino)
文化財学科
publisher
出版地 奈良
出版者 奈良大学文学部文化財学科
上位タイトル
文化財学報 (Bunkazai gakuho, Bulletin of the study of cultural properties). Vol.19集, (2001. 03) ,p.1- 22
識別番号
ISSN
09191518
抄録 「我が近代漆工史序説」と題して、近代漆芸史の基磯資料集を制作した。これは「我が」と題したとうり、あくまでも筆者のためのものである。しかし、これらの資料を選択したのは筆者であり、筆者の考えが反映されていることは当然である。
三十年余、筆者は博物館で美術工芸を研究対象としてきた。そして博物館という場所柄その対象は美術工芸品、特に漆工芸品、それ自体を研究し続けてきたように思う。
さて、奈良大学という教育・研究の場所に移り、その研究は博物館とはかなり異り、漆工芸品そのものよりも、その文献が研究の主流になりつつあるように実感する。
そして、日本の漆工芸史を今みるに、近世から近代への移行は、我が漆工史にとって、大変革をきたしたものと筆者は考えている。れは近世に見るスポンサー(大名、富豪等) の喪失がその第一の原因である。
一本立を余儀なくさせられた漆工芸は勢い海外へ輸出という道をたどり、明治新政府は外貨獲得の好材料にしたのである。そこには近世(桃山・江戸時代) の漆工芸のヨーロッパとの密接な関係が基盤になっていると推察される。
明治初年の欧米各地の万国博覧会への参加はそれを極端に表わしている。
しかし、初期の華々しい極東の珍らしい工芸品も、その後、徐々に輸出は下向線をたどりはじめる。さらに輸出業者の商品のダンピングと粗悪品の制作は、それに拍車をかける結果となっていく。そして、その輸出方針は反省と前進、安心と後退、この繰返しであった。そして確実に後退していったのである。日清・日露・日中・太平洋大戦もこの輸出漆器には大きな影をおとしている。現在、日本の漆芸界は瀕死の状態であると書いても過言ではない。そのような今、筆者はあえて、本稿を書くのである。
言語
jpn
資源タイプ text
ジャンル Journal Article
Index
/ Public / 文学部 / 文化財学報 / 19集
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