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ID AN00181569-19781200-1019
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Last updated : Nov 30, 2010
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タイトル 天正本太平記の性格
別タイトル
Some characteristics of "Tenshobon-Taiheiki"
著者
長坂 成行 (Nagasaka shigeyuki)
文学部
publisher
出版地 奈良
出版者 奈良大学
上位タイトル
奈良大学紀要 (Memoirs of the Nara University). Vol.7号, (1978. 12) ,p.11- 20
識別番号
ISSN
03892204
抄録 「太平記」の、特に諸本研究が『平家」の場合程深化を見せておらず研究状況も比較的不活発であることは、『平家』の例えば延慶本.長門本・源平盛衰記等増補系諸本の活気に満ちた研究動向を引き合いに出すまでもない。その最大の理由としては、『太平記」の場合本文のゆれが小さく、問題にすべき箇所が多くないということが挙げられよう。確かに天正本の類を除いては、四十巻全体に亘って注目すべき本文傾向を有する伝本は少ない。とは言え小さい乍らも存する本文異同が「太平記」の性格、或いは成立・変容を探るための手懸りを与えてくれることもまた事実である。例えば京大本系統の伝本にみる特異な人名表記・巻分割のあり方、前田家本・米沢本等の独自異文の問題などは検討に値する。近時また、諸本間の差異ばかりに注目するのではなく、むしろ本文の共通部分に目を向けることによって『太平記」を捉えるという方法論上の新しい視点も提言されている。そうした動向は確実に存在し、かつ重要であると認識しはするものの、私としては先ず諸本の実態・性格を微視的に検討するといういささかオーソドックスな方法で作業を積み重ねておきたく思う。『太平記」諸本の中で最も特異な伝本である天正本の類については鈴木登美恵氏の先駆的業績があり、その性格に一応の見通しはついているが、肝心の天正本が未刊のため写真に拠らねばならない(『参考太平記」でおおよその目処はつくが正確は期し難い)という物理的悪条件の故か、その検証には未だしの所がある。旧稿で私は天正本の記録的側面に注目し、その依拠資料を探ることから成立圏を佐々木導誉父子・二条良基の線に求めたのであるが、少しく性急な結論に走り過ぎたようである。小稿では天正本のいま一つの側面、即ち鈴木氏の謂を借りるならば通俗的な拝情性・物語性の増加という点に主眼を置きその性格を検討する。その際あくまで天正本独自の表現世界の解明ということを目標にし、成立論への短絡はなるべく避けたい。
言語
jpn
資源タイプ text
ジャンル Departmental Bulletin Paper
Index
/ Public / 奈良大学紀要 / 7号
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