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ID AN00181569-19791200-1008
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タイトル 「神の平和」運動の展開 ランス教会地方・アミアン=コルビー間の動向を主として
別タイトル
Some Studies on the Movement of the Peace of God, especially in Northern France
著者
守山 記生 (Moriyama norio)
文学部
publisher
出版地 奈良
出版者 奈良大学
上位タイトル
奈良大学紀要 (Memoirs of the Nara University). Vol.8号, (1979. 12) ,p.96- 109
識別番号
ISSN
03892204
抄録 10世紀末から教会の主導によって始まった「神の平和」運動の歴史的評価については,さまざまな論点があげられる.多岐にわたる論点としては以下のことなどが考えられるであろう.初期における民衆的性格,「神の平和」が展開させたイデオロギー的役割と世俗諸侯・国王による継受,また理念史がからまった論点としてはクリュニーの改革運動との関係など.更に,いま一つの論点として,都市コミューン形成に与えた影響がある.これらの論点は,「神の平和」運動がとりわけフランスの封建社会の形成にどのようにかかわったかということに集約されるともいえるであろう.
筆者は最後の論点に関心を持っている.しかしながら,筆者はこの両者の運動には本質的な差異があり,「神の平和」運動は部分的・間接的にのみ都市コミューンの形成に影響を与えたという基本的な観点に立ちたいと思う.そのさい,大雑把とはいえ「神の平和」運動の民衆レベルでの限界を洞察したA・リュシェールの古典的な見解は見直す価値があると考えている.
上述のように多岐な論点を持つ「神の平和」運動に対する研究動向としては,最初は法制史的アプローチから始まり,最近では社会経済史,イデオロギー的側面に焦点を合わせた研究が多いようである.わが国でも,先ず,ラントフリーデに引きつけ,ひいては近代国家の権力装置の法理上の源泉を見つけ出そうとする堀米庸三氏による「神の平和」に対する理論化.石川武氏のいわゆるく立法説〉からする反論.しかしながら,両氏による論争は主としてラントフリーデを対象としているので,都市コミューン形成への影響に関心をもつ筆者の立場からは一応の距離を置きうるであろう.従って,日本での研究では,ブルゴーニュのマコネ・デイジョネ両地方の「神の平和」運動が領域権力と村落共同体の形成の触媒となったとする鯖田豊之氏の論及が注目される.テップァーの研究をいちはやく紹介された同氏にあっては,「神の平和」運動は上二者の形成過程においてそれらが多少ともスムーズに社会化される基盤を与えたと考えられているようである.しかし,同氏は,この運動が同時に都市化の一契機ともなっているという指摘をしている.このような農村・都市の新しい動向との関連で「神の平和」運動の一層の掘り下げがのぞましい.何故なら,「神の平和」運動のインパクトは専ら農村の新動向に及んだのであり,都市史への影響は部分的・間接的であるにしても,いわば社会経済史的視角を基礎においたこの運動の分析は,都市コミューン前史の実体を解明する一つの手がかりとなることが期待されるからである.
小論では,上述のような研究動向と論点のうち,都市コミューン形成への影響に関心をもつ立場から,北フランス・ランス教会地方への「神の平和」運動の拡大とアミアン・コルビー間のこの運動について若干検討を加えるものである.
なお,以下において社会経済的前提をふまえて論じるのは至難であり,筆者にはその準備がほとんどない.しかし,単に法制史的なアプローチに終らないようにしたいと思う.
言語
jpn
資源タイプ text
ジャンル Departmental Bulletin Paper
Index
/ Public / 奈良大学紀要 / 8号
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