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ID AN00181569-20020300-1003
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Last updated : Dec 3, 2009
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タイトル プルーストにおける「斜め」の思考
別タイトル
L'obliquite chez Proust
著者
田中 良 (Tanaka ryo)
教養部
publisher
出版地 奈良
出版者 奈良大学
上位タイトル
奈良大学紀要 (Memoirs of the Nara University). Vol.30号, (2002. 03) ,p.45- 58
識別番号
ISSN
03892204
抄録 『失われた時を求めて』には様々な「斜め」が登場する。ホテルの一室の角に立て掛けられた大きな鏡、シャンゼリゼ公園のトイレから出てきたときの祖母の帽子、教会のステンドグラスから射し込む光、ルーサンヴィルに降る雨、ティー・パーティでのジルベルトの座り方など、それらは全て斜めであった。そしてそれらの意味するところはそれぞれ、日常に対する非日常、健康に対する病気、現実に対する非現実、罪に対する罰、規律に対する違反であり、全体的にいえば一般的規範からの逸脱である。一方、そうした日常的な状況、出来事とは別に、坂道、斜面という地誌的な意味での斜めもまた、この小説の要所に見出される。ジルベルトと出会うことになるさんざしの小道であり、ヴァントゥユ嬢のサディスムを覗き見ることになるモンジューヴァンの斜面などである。それらは思わぬ出来事を引き寄せる磁場であった。
すなわち、プルーストにとって斜めとは、今あるもの、今まであったものの否定であり、その否定を通しての統合、発見である。それによって斜めは、プルーストを、そして私たち読者を新たな認識の世界へと導いて行く。ところで、この斜めは作家プルーストにとって、決して単なるメタフォ一ルではなかった。ベッドで斜めの状態になりながら大作を紡ぎだした作家にとって、斜めは逃れることのできない現実であった。病気によって強制されたその姿勢が、健康人とは違った、創造的な視点を与えたといえるかもしれない。
言語
jpn
資源タイプ text
ジャンル Departmental Bulletin Paper
Index
/ Public / 奈良大学紀要 / 30号
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