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ID AN00181569-20080300-1001
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Last updated : Dec 7, 2010
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タイトル ベアリングズの崩壊: マーチャント・バンキングの終焉
別タイトル
The collapse of Barings: the end of merchant banking
著者
田中 文憲 (Tanaka fuminori)
教養部
publisher
出版地 奈良
出版者 奈良大学
上位タイトル
奈良大学紀要 (Memoirs of the Nara University). Vol.36号, (2008. 03) ,p.1- 20
識別番号
ISSN
03892204
抄録 1995年2月200年以上続いたイギリス最古のマーチャント・バンクであるベアリングズが破産した。本稿では、改めてベアリングズ崩壊の原因究明を試みた。ベアリングズ崩壊の直接的な原因になったのはシンガポール子会社の責任者であったニック・リーソンによる不正取引であり、またリーソンの犯罪行為を見逃すことになってしまったベアリングズ内部の管理体制の不備にあった。さらにベアリングズを監督する立場にあったイングランド銀行にも落度があったことは事実である。しかし、崩壊の本当の原因は、時流にとり残されたマーチャント・バンクという業態そのものにあったのである。ベアリングズをはじめ、マーチャント・バンクはイギリスの発展と共に繁栄し、その国力の衰えと共に落ち目になった。確かにM&Aや投資顧問業務などによって生き残りを図ってはいたものの、強力なアメリカの投資銀行などの攻勢の前に後退を余儀なくされた。これに追い打ちをかけたのが1986年のいわゆる「ビッグ・バン」である。こうした大きな時代の変化に、「ジェントルマン」化したマーチャント・バンカーたちは太刀打ちできなかったのである。ベアリングズについて言えば、過少資本と古い体質から抜け出せず、十分な管理体制を作れないまま、目先の利益に目を奪われ、トレーディングにのめり込むことを放置した。結局これが破滅の速度を速めることになってしまった。しかし、たとえそうした体制を作れていたとしても「マーチャント・バンク」は、所詮アメリカの大手投資銀行の敵ではなく、早晩淘汰されていたであろう。要は時流に合わなくなっていたのであり、滅びるべくして滅びたと言えよう。
言語
jpn
資源タイプ text
ジャンル Departmental Bulletin Paper
Index
/ Public / 奈良大学紀要 / 36号
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