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ID AN00181569-201703-1015
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タイトル 近世における西大寺の製薬と民衆意識: 豊心丹をめぐって
別タイトル
Concerning medicine manufacturing in Saidaiji-temple and the awareness of the people in the early modern times
著者
村上, 紀夫 (Murakami, Norio)
奈良大学史学部
publisher
出版地 奈良
出版者 奈良大学
上位タイトル
奈良大学紀要 (Memoirs of the Nara University). No.45  (2017. 2) ,p.188- 177
識別番号
ISSN
03892204
抄録  西大寺では豊心丹という薬を製造販売していた。近世の医薬は受容する側の意識としては効能を神仏によって保証されていた 「呪物」 でもあった。安永七年 (一七七八) に奈良の老舗菊岡家が販売する豊心丹について、西大寺が訴えを起こした。販売差留めを求めるが、菊岡家は豊心丹創始者の西大寺叡尊が菊岡家出身であり、菊岡家が豊心丹を製造することは当然であると主張し、菊岡家の主張は認められて製薬継続が許される。ここでは調合法などが問題になることはなく、西大寺は宗教的な製薬過程を重視し、菊岡家は由緒の確かさを主張する。宗教的威光を背景に呪物として薬を囲い込もうとする西大寺に対し、由緒を梃子に自らの商品としてきた菊岡家の論理のぶつかり合いであり、奈良奉行は西大寺の 「威光」 独占を否定する。一八世紀段階の世俗権力がかかる判断をしたことは、当該期における宗教的 「威光」 を寺院が独占することを奉行所が否定したといえるだろう。
キーワード
西大寺
豊心丹
世俗化
Saidaiji-temple
Houshintan
Secularization
言語
jpn
資源タイプ text
ジャンル Departmental Bulletin Paper
Index
/ Public / 奈良大学紀要 / 45号
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