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ID AN10086451-19841200-1003
アイテムタイプ Article
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Last updated : Dec 14, 2010
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タイトル 一九二〇年代における地主小作関係の一考察: 奈良県旧添上郡治道村の事例
著者
森元 文子 (Morimoto fumiko)
史学科
publisher
出版地 奈良
出版者 奈良大学史学会
上位タイトル
奈良史学 (Nara shigaku : Nara journal of history). Vol.2号, (1984. 12) ,p.41- 61
識別番号
ISSN
02894874
抄録 最近の一九二〇年代における農村支配体制に関する分析は、小作争議後退期の農村構造の支配の論理をいかにとらえるかというところが、その問題関心の中心となっている。この分析については二つの研究の流れがある。ひとつは森武磨・大門正克両氏による、農家小組合・産業組合についての研究である。そこでは農家小組合・産業組合が農民的小商品生産の組織化によって、小作争議を解決する社会的機能を有していたとし、それらが小作争議後退期の農村再編にあたって、最も重要な役割をなしたとするものである。もうひとつは、庄司俊作・坂根嘉弘両氏による協調組合についての研究である。協調組合は、地主小作双方から一定の比率で委員を出し、そこで小作料減免率等を決定した。そして、それによって小作層の階級意識が自主的に眠り込んでいったとし、こうした協調組合の設立こそ小作争議後退期における農村再編の基軸となったとするものである。森・大門両氏の研究では、小商品生産の組織化によって農村支配を確立することが同時に、階級宥和機能を獲得するプロセスでもあったとする。しかしながらこうした理解は、産業組合に社会的機能を求めるあまり、産業組合万能論になってしまうのではないだろうか。一九二〇年代、農村の抱えていた問題が、農事改良や小商品生産の組織化によって、すべて解決されるとは考えられないのである。また、庄司・坂根両氏の研究では、小作争議に対する小作調停法の運用という国家的対応から見ても、協調体制への帰結なくしては二〇年代の争議は沈静化し得なかったとしている。しかしながら小作人が自主的に眠り込んでいくほど、地主の譲歩が引き出される地域というのは、やはり「小宇宙的」・「頂点的」にしか存在しなかったのではないかと思われる。地主側からのある程度の譲歩によって眠り込んでしまうほど、二〇年代における争議要求が小さなものであったとは考えられない。ここでは、奈良県のいわゆる近畿型に属する一農村の、一九二〇年代における産業組合の組織化と発展、小作争議、そして水利問題の動きを追うことによって、地主小作関係および農村の抱えていた問題の一端を明らかにしたい。
言語
jpn
資源タイプ text
ジャンル Journal Article
Index
/ Public / 文学部 / 奈良史学 / 2号
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