奈良大学大学院研究年報
(Annual reports of the Graduate School of Nara University).
Vol.12号,
(2007.
03)
,p.212-
213
識別番号
ISSN
13420453
抄録
1999年代に入り、ICT(Information and Communication Technology)を基底とする社会へと大きく変容した。インターネットの爆発的かつ全地球的な波及は大量の情報をイタラクティブに交換できるようにし、GIS(Geospatial Information System)技術はインター一ネット上を流通する大量の情報を地理情報(空間データ)と結び付け、高度情報化社会を築き上げてきた。特にGIS技術で扱う位置情報(空間データ)は、社会基盤情報として非常に重要視されている。
このようなICTを基底に置く新しい社会の波は、「電子化」という問題となって様々な分野に押し寄せている。特に、博物館や文化財行政といった分野では、紙ベースの情報、伝統的な調査手法と電子情報との乖離が激しく、全体的に電子化に遅れをとっている。
本研究では、この問題に対して具体的な解決法を提示するものである。具体的には、考古学サンプルケースとした「プロセスベース型」の電子化を実践し、それを基にUML(Unified Model Language)による文化財情報のモデル化を行い、情報の普遍的定型化を試みた。