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ID AN00181569-19831200-1001
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タイトル 古代染色の化学的研究: 第12報 紫根染めの改良について
別タイトル
Chemical Studies on Ancient Dyeing XII. On the reformation methods of Shikon Pvrple dyeing.
著者
新井 清 (Arai kiyoshi)
教養部
publisher
出版地 奈良
出版者 奈良大学
上位タイトル
奈良大学紀要 (Memoirs of the Nara University). Vol.12号, (1983. 12) ,p.1- 14
識別番号
ISSN
03892204
抄録 本誌第1号に,古代紫根染めを報告した.生絹布は椿の灰汁中に浸漬されると・絹の表面からセリシンが溶出する.この事実は,灰汁を濃縮して,アルコールを注加し,得られた固体を水解の後に二次元クロマトグラフィーの結果,アミノ酸の組成から確認した.さらに,絹布は灰汁中からアルミナを吸着する事を証明し,生絹布は灰汁に漬ける期間中に,精練とアルミ媒染を完了するのである.古代中国人の英知である.この操作のあと・紫根から色素を湯で抽出した染液中に繰り返へし,高温度にならぬ様に注意して,温浴染液に精練媒染した絹布を浸して染める.次の染めに当って,灰汁に布を漬け絞って風乾してから染める.これを繰返して,24回と25回の紫染布の反射率曲線が一致した.その染色は根気と日数のかかる仕事であった.したがって,飛鳥,奈良,平安朝と伝承された古法は江戸期には廃絶していた.江戸初期,慶安4年(1651)開板の「萬聞書秘伝抄」には,椿灰汁を下地として,紫根の薄紫に染め,紅で交染して灰汁で青味をつけて本紫としている.また似紫として,蘇防を明讐で媒染している.同時代に巾国で刊行された技術書「天工開物」の染色の記事にも,古代紫染めは忘れられて,蘇木を下地に染め,青馨を媒染剤に用いて紫に染めている.西洋古代紫は貝紫であり,古代エジプトでは"チリアン紫"として,テツボラ属のホネガイの発色分泌液から得た染液で布を染めていた.これは紫根よりも貴重な染料で,欧州でも廃絶した.その美しい赤紫に似せて,19世紀半ばまで,英国では絹布をスオウとノギンス・レッドの染液に助剤の樹脂を加えて熱浴中で赤く染め,金属塩で媒染していた.
言語
jpn
資源タイプ text
ジャンル Departmental Bulletin Paper
Index
/ Public / 奈良大学紀要 / 12号
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